ランチョ・ロス・アミーゴ方式における歩行周期の名称と定義について
目次
Kirsten Goetz-Neumannはドイツの理学療法士であり、臨床歩行分析のメッカであるランチョ・ロス・アミーゴ病院のJacquelin Perry博士より直接指導を受けて観察による歩行分析の手法を確立しました。
大掛かりな機器を使用した計測とデータ分析による歩行分析とは異なり、医療従事者が歩行を観察することによって適切な評価を行うことを目的としています。評価の根底にはバイオメカニクスの知識と豊富なデータによる裏付けがあることがこの方法の特色です。
歩行分析の必要性とは
哺乳類の進化の過程で直立位を保持することを獲得したヒトは二足歩行を獲得しました。
四つ這いの哺乳類と比較するとヒトは直立位を取るため身体を支持する面積が狭小化しています。
その小さい面積の上で歩行できることは健全な関節や筋・姿勢コントロールが不可欠であり、逸脱した歩行は単一の関節に負担をかけ次第に当該箇所が歪みとなって身体が崩れていってしまいます。
バイオメカニクスの観点を持ち、床半力コントロールに必要な筋肉群・関節の動きの把握、それらが歩行の上で必要とされるタイミングを知ることで逸脱動作の歩行の一部を見つけることができます。
歩行分析で特定した問題のある関節運動のトレーニングにより効果的・効率的にクライアントにトレーニングプログラムを作成することができます。
また、ダイナミックな歩行分析により対象者が機能的に関節運動が行えているかを見つけることができているかという視点が身につきます。
初期接地(イニシャルコンタクト)
歩行周期の始まりと終わりはイニシャルコンタクトで定義される。
始まり:脚が地面に接触する瞬間である。
荷重応答期(ローディングレスポンス)
始まり:初期接地で始まる
終わり:範囲台側の脚が地面から離れた瞬間。
一回目の両脚支持期である。
立脚中期(ミッドスタンス)
始まり:反対側の脚が地面から離れた瞬間
終わり:観察肢のかかとが床から離れた瞬間。
立脚終期(ターミナルスタンス)
始まり:観察肢の踵が床から離れた瞬間
終わり:反対側のイニシャルコンタクト。
前遊脚期(プレスイング)
始まり:反対側のイニシャルコンタクト
終わり:観察肢のつま先が床から離れた瞬間。
2回目の両脚支持期である。
遊脚初期(イニシャルスウィング)
始まり:観察肢のつま先が床から離れた瞬間。
終わり:両側の下腿が矢状面で交差した瞬間。
遊脚中期(ミッドスウィング)
始まり:両側の下腿が矢状面で交差した瞬間。
終わり:観察肢の下腿が床に対して直角になった瞬間。
遊脚後期(ターミナルスウィング)
始まり:観察肢の下腿が床に対して直角になった瞬間。
終わり:観察肢の足が床に触れた瞬間。
観察による歩行分析 Kirsten Gotz-Neumann 医学書院